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台湾

共同研究の関係で台湾に赴きました。現地協力者がいなければ訪問できないような場所に行く機会にも恵まれ、東アジアにおける植物分布の連続性・非連続性の面白さを再認識することになりました。

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1日目は台北近くの山です。上の写真では遠くに台北101が見えている。この標高だと沖縄本島のヤンバルに似た環境で、生育する植物もほとんど同じ。下の写真のノボタン(Melastoma candidum)もヤンバルでよく見られる。

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2日目は、標高を2000m近くまで上げ温帯雨林に向かいました。日本ではこの標高はかなり寒い気候帯だが、緯度の低い台湾ではまだ温和なエリアで、日本では石垣・西表でしかみられないセイシカ(Rhododendron latoucheae)もふつうに見られる​。

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この一帯の森林は温帯雨林(temperate rain forests)とよばれる森林で、年間を通して雨量が多いのが特徴。このような地域は非常に限られており、北アメリカ西岸ワシントン州、台湾や日本の屋久島などに存在している。ワシントン州や屋久島の森林はこの特異性が評価され世界遺産に登録されている。温帯雨林の特徴は何といっても雨量が多いことで、それに伴い着生植物の数が非常に多くなっている。木の幹にはコケがびっしりで、木のうろや枝の又に樹木も着生している。これらは、地に根を下ろさずとも降雨だけで十分な水分を得ることができる。

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この日もあいにくの雨模様。屋久島は1年に366日雨が降るなどと言われているが、この地域も同じくらい雨が多いのだろう。

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下の写真はヒノキ属の樹木。日本と台湾にはヒノキ属の固有種がそれぞれ2種ずついる。日本ではヒノキ(Chamaecyparis obtusa)とサワラ(C. pisifera)、台湾ではタイワンヒノキ(C. taiwanensis or C. obtusa var. formosana)とベニヒ(C. formosensis)。それぞれ、ヒノキとタイワンヒノキ、サワラとベニヒが系統的に近い関係にある。つまり、今は海で隔離された日本と台湾だが、どこかに生育していた祖先が両地域にわたり種分化したと考えられる。ちなみに、ヒノキ属はあと2種存在し、それはアメリカ合衆国の東岸と西岸にそれぞれ1種ずつ分布している。

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台湾では多くの巨木が日本統治時代に伐採されてしまったが、当時ではたどり着くことが困難であった奥地にのみ現在でも残っている。下の写真は距離が離れていて大きさがつかみにくいが、屋久島のヤクスギ老齢木ほどの大きさ。

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